【おしもり】ゲーサイトとレピドクロサイトってどう違うの
2017年 02月 01日
おはようございますっ!MORiKO★ですっ!!!
今日は水曜日。おしえてMORiKO★の日ですね~!!!
このコーナーではお店のスタッフさんから寄せられてくる石の疑問にMORiKO★がお答えします!
今日の質問は岡山県の岡南シネマタウン店のSTさんよりいただきました。
Q.ゲーサイトとレピドクロサイトってどう違うんですか???
分かりますっ!MORiKO★も最初は全く意味が分からなかったのでずっとモヤモヤしていた内容です。
この2つはエレスチャルクォーツの内包物として有名ですねっ!
★エレスチャルクォーツ★
まずはこの2つの鉱物の化学式から見ていきましょう!
ゲーサイト(Goethite)→ FeO(OH)
レピドクロサイト(Lepidocrocite)→ FeO(OH)
あれ?
何か気づくことはありませんか?
そう、どちらもFeO(OH)になっていますね~!!!
そうなんです!ゲーサイトもレピドクロサイトも同じ成分なんです!
結晶の構造が違うので別種ということにはなりますが、成分は同じだったんですね~。
成分が同じで結晶構造の違いで別種になっている関係を同質異像と呼びます。めのやスタッフ用の石検定という試験でたびたび出てくるワードです。笑
ちなみにこの2つ、同じ成分なので、成分だけ調べてもどちらになるか分かりませんよね?
厳密な区別がとても難しいんですね~。
ちゃんと結晶構造が分かるようなものだと分けられるのですが、沈殿物になってくると判別ができなくなります。
それでよく使われる言葉がライモナイト(Limonite)。これは褐鉄鉱という和名で、FeO(OH)を成分に持つもの全般を表しています。
★ライモナイトinクォーツ★
ライモナイトinクォーツは水晶のクラックの間にライモナイトが沈殿して出来たもの。結晶の様子が分からないのでゲーサイトともレピドクロサイトとも言えないのですね~!
ここまでをまとめると・・・
■エレスチャルクォーツ → 水晶と一緒にレピドクロサイト/ゲーサイトが成長してできた。
■ライモナイトinクォーツ → 内包物のない綺麗な水晶ができて、その後の地殻変動や何かの影響で水晶が割れてしまい、そのヒビの中にライモナイトが沈殿していった。
ちなみに両方ライモナイトinクォーツであるといえますが、出来方はぜんぜん違うという事は分かりますね!
気づけば段々と脱線していきましたね・・・苦笑
話を質問に戻しましょう!
ゲーサイトとレピドクロサイトは和名を覚えるとすんなり覚える事ができます!
ゲーサイトは和名を針鉄鉱(しんてっこう)といいます。
レピドクロサイトは鱗鉄鉱(りんてっこう)。
針みたいなのか、鱗(うろこ)みたいなのかの違いなんですね!
ゲーサイトは原石の写真があるので見てみましょう!
モロッコ産のゲーサイト。
針のようなものがびっしり集まって形成されているのがわかりますね!
断面をみると霜柱のようになっています。
★ゲーサイト(モロッコ産)★
インド産のゲーサイト。
こっちは黄色。
ゲーサイトやレピドクロサイトには黒~黄~赤などの色があります。
★ゲーサイト(インド産)★
これも断面図を見ると針の集合体であることが分かりますね!!!
★ゲーサイト(インド産)★
だから針鉄鉱なんです。
レピドクロサイトは鱗鉄鉱ですが、これはなかなか単体の標本を見たことがなく、原石の写真は持っていません。
そこで水晶の中に入っている状態のものをみてみましょう!
中に入っている赤いものがレピドクロサイトですが、平べったくなっているのが分かりますね!
鱗(うろこ)の様に平べったい。だから鱗鉄鉱。そう覚えると覚えやすいですよ!
★エレスチャルクォーツ★
今度は両方入っていると思われるものを見てみましょう!
今度は黒いですね。この平べったいものがレピドクロサイト。
同時に針状のものもみえますね。
直線的だとおそらくゲーサイトだと思います。ちゃんとルーペで確認しないと確実ではありませんが・・・
★エレスチャルクォーツ★
一見針状だけどレピドクロサイトの場合もあります。
このパターンがあるから混乱してしまうんですよね~。
こちらはパープルルチルクォーツ。
★パープルルチルクォーツ★
一見針状なのでゲーサイトかと思いきや、拡大すると・・・
★パープルルチルクォーツ★
まっすぐではなく、ぐにゃぐにゃと曲がっていますよね。
そしてその結晶は太くなったり細くなったり。
平べったいものだということが分かります。
この場合はレピドクロサイトなんです。
アメジストにゲーサイトが内包されたときは、本来の形にすごく近いのでご紹介します。
金色のススキのような、細長い結晶がほうき状に成長していますね~。
一番上のゲーサイトの結晶にそっくりですね!
★アメジストルチル★
カザフスタンとメキシコでしか採れない幻の水晶、ストロベリークォーツはどうでしょう?
よく見るとゲーサイトのようですね。
ポイント先端のほうではレピドクロサイトも一部混ざっていそうです。
おそらく両種が混在しています。
★ストロベリークォーツ(カザフスタン産)★
いかがでしたでしょうか?
ゲーサイト VS. レピドクロサイト
なんとなく分かっていただければ、それだけで嬉しいです。
同じ成分だし、両種を厳密に分ける必要もそれほどありません。
ただ、この2種の違いを知っておくと、こういった水晶類を見るときに楽しさが倍増すると思います。
今日はかなりマニアックな内容になってしまいました~!!!
バイヤー三銃士ブログもよろしくお願いします。
by stonebuyer
| 2017-02-01 09:00
| おしえてMORiKO★!